ギターの祭典に出演予定の小林くん。
彼は今、大学4年生で小樽商科大学のマンドリン・オーケストラ
「プレクトラム・アンサンブル」にクラシックギターパートとして所属しています。
ギターの祭典では、バリオスのフリアフロリダを弾く予定なのですが
最近演奏の安定性を欠いてスランプ気味とのこと。
この曲は暫くレッスンでは見てなかったので久しぶりに聴かせてもらうと
確かに以前苦労していなかった箇所で躓いたり、欠音が目立っています。
小林君は「フォームやタッチの問題なんですかね…?」と。
確かにそれもあるのですが、それ以上に問題なのはテンポ感。
この曲は「舟歌」なので機械的なテンポではなく、揺らす必要性がありますが
大分弾きなれてきたせいもあって、本人の意図しない所で速くなってしまっていたり
頭の中のイメージ無しに指の動きだけで演奏してしまっていました。
テンポに問題のある個所を指摘してから、敢えてかなり遅い機械的なテンポで
ミスが発生する箇所の右手のプランティングと、左手の脱力のプロセスを確認しながら
通しで弾いてもらいました。
その後に「いつも通りテンポルバ―トも使って弾いてみてください」とお願いして
弾いてもらうと、クオリティは「自分の調子の良い時の演奏です」というところまで一気に向上。
音楽的に無理がある表現は技術的にも無理がありミスを招きやすいです。
特にこの曲は4~6拍目に動きが多いので適当に弾いていると
前のめりになってしまいがちですね。
技術と音楽は分けて練習する必要もありますが
時として同時に意識して考えなければいけないものでもあります。
小林君くんも学生ではありますが、今時期は就職活動でとても忙しい中
頑張って練習に励んでいます。
大分腕を上げてきましたし、彼の希望通り札幌に就職してその後も
指導させてもらえると良いのですが、そればかりは解りません。
札幌での演奏活動が今年で最後になってしまうとしても、心残りが生まれない様に
人前での舞台を良い思い出にしていってほしいと願ってます。
またその為に良いサポート、レッスンが出来るように彼と一緒に頑張っていきたいと思います。
吉住和倫
公益社団法人日本ギター連盟公認
マンドリン・クラシックギタースクール
『吉住ギター・マンドリン教室』
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