春という事で新しい生徒さんとの出会いが多い時期です。
クラシックギターのKくん。先月から体験レッスンにお越しいただいて、今日がご入会後の初レッスンでした。
大学時代を東北で過ごし、昨年から地元の札幌で社会人として生活を送っています。
学生時代にはギターサークルに所属し、先生にも師事していたので、中々達者なテクニックと、綺麗なフレージングを
創る力を持っています。
体験レッスン時に、僕の知らないヴァイスの作品を持ってきたのですが、東北で師事していた先生が編曲したもので
ギター的でありながら、バロックの舞曲の性格を意識したものになっていて、僕が知らないだけで優れた人は世の中に
多く居るものなのだな、と改めて実感させられました。
また、ヴァイスは下記音源のファンタジアや幾つかの作品はギターでもよく弾かれますが
まだまだギターであまり取り上げられていない優れた作品が数多くありますね。
レッスン内容としては、Kくんからの「基礎をしっかりやりたい」との言葉通り、基礎的な技術は飛び級してるというか
出来なくてはいけない事が出来ていなくて、出来なくても良いことが出来ている、というバランスの悪さが見えたので
まず穴埋めをすることをメインとして進めていくことにしました。
左手は中々柔軟で各指の独立性も中々高いので、曖昧になっている点を整えていけば良い感じ。
右手はちょっと癖が強く、拳、指先のポジションが弦からかなり離れて位置しているので、強く弾くのが苦手で不安定な様子。
師事していた先生には、結構不定期に通っていたこともあり、技術的な細かい指導は多く受けておらず
なんでも大学で先輩に「右手は幽霊の様に~」と教えられてしまい、そのまま弾いてきたとのこと。
つまり手首を内側にかなり曲げて前面に突き出すようなフォームになってしまっています。
これだと例えMP関節(指の根元)を上手く使っても弦を弾く方向が表面版と逆方向になってしまうので
豊かな音色、響きは望めません。またこの手のフォームの人は大抵MP関節が上手く使えず、指を降らずに
掌自体を動かして弾いてしまいがちです。
手の位置、弦と指先の距離、MP関節を使ったタッチと使わないタッチの指の軌道の違い、細かく細かく細分化して解説し
じっさいにどれだけ響きを変わるか、安定感だ変わってくるかを体感していただきました。
まだまだ不慣れなので、自然に実践出来るまでにはある程度掛かりそうですが、理解力が高く
「出来ている、出来ていない」の判断が結構明確に行えているので、良い練習が期待出来そうです。
練習ってただ繰り返し弾けば良いってものじゃないんです。
良い練習をしなければ上達は難しいです。
良い練習をするには常に頭を使わなくてはいけません。
鈍足のテンポで根気よく、ボディマッピングを意識して、体の動作を細分化し
その瞬間瞬間に自分が何を行っているのか、どうなっていなければいけないのか。
これらを明確に認識出来るかどうかは、天と地ほどの差があると言って良いでしょう。
僕は生徒さんにこれらを解りやすく説明して認識させること。
それによって「良い練習」が出来るようになること。
技術的な面ではこの点はかなり重視してレッスンしています。
と言っても、技術は音楽表現とは切り離せないものでもありますので、あくまで重視してる点の1つですけどね。
Kくんは、恐らくそう遠くない内に皆さんに演奏を聴いて頂ける機会を持つことになります。
ヴァイスの作品はクラシックギターでは割と弾かれますが、恐らく皆さんがあまりご存じじゃない作品を
お届け出来ると思いますのでお楽しみに。
吉住和倫
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