もうご入会していただいて2カ月くらい経ってしまってますが…マンドラの生徒さん。
Nさん。僕が指導に携わっている北大チルコロマンドリニスティコ・アウロラでマンドラパートの首席を務めています。
マンドリン属の楽器の方はギターの方に比べて、左手のフォームや指の独立性、各関節の使い方のバランスに大きな問題を幾つも抱えている事がほとんどなのですが、Nさんは珍しいくらいとても綺麗な左手の技術を持っています。
一定以上弾ける人には必ず練習してもらうエクササイズがあり、これはほとんどの人が音を出すのが難しい…
というところからのスタートとなりとても苦労するのですが、彼女は最初からかなりクリアに弾けていました。
ここ2カ月で更に洗練された動きになってきており、今後が楽しみです。
このままアウロラドラパートの左手のお手本となってほしいくらいです。
半面右手、特に移弦は苦労している様子。
ピックの持ち方では親指のIP関節が曲がり過ぎていた為、脱力した持ち方になっていませんでしたがこれは改善されつつあります。
弦へのプラントの意識もアウトサイドピッキング時は大分浸透してきました。
まだインサイドピッキングになると次の弦への準備が疎かになり、遠い位置から弾弦してしまっているので強化が必要です。
後は、右手薬指小指のMP関節が常に外側(楽器から遠ざかる方向)に曲がった状態になっていますので、ここを修正していきたいですね。
これも脱力を阻害しており、手首の動きの固さに繋がっています。
また高音弦を弾く際にピッキングが楽器から離れる方向に斜行してしまう要因にもなっています。
ここが一番の改善点でしょうか。
とても豊かな歌心を感じさせる演奏が出来る人なので、右手の技術がベーシックなものになれば
表現の幅は大きく広がってくるはずです。
独奏の曲はそんなに経験はありませんが、最近まではAzzurro/丸本大悟を練習していました。
左手指の準備、一見1つの声部の旋律に見えるものを分解して複数の声部として扱って弾く、テンポの積極的な動かし方など
初めて試みることばかりだったと思いますが、必要な要素はしっかり習得してくれたので、次の曲へ入ります。
僕のところに習いに来てくださる方は、基本的には自分のペースで好きな曲を練習していただいて良いのですが
特に向上心が強い人には様々な地域、時代様式の作品をバランス良く勉強していくことを強く進めています。
上手くなることを最優先するならそれが近道だからです。
ですのでNさんは、今後クラシックのスタイルで書かれた作品を勉強していくことになります。
勿論現代のキャッチーなものもやっていきますけどね。
札幌、札幌近郊ではここ1、2年でまた一段とマンドリン属の独奏を志す人が増えてきており、とても嬉しく思っております。
もっともっとマンドリン属の独奏が身近なものとして根付いていってほしいですね。
吉住和倫
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