ギター・マンドリン共通の楽器の鳴らし方。

昨日の続きと共に

楽器の鳴らし方について少々。

 

盗賊の歌は音創りに苦労している様子でした。

谷森さんは仕事の都合でほとんど爪を伸ばせませんので

音色の点ではやや不利を抱えています。

しかし爪が短くても音は創れます。

音色を決める一番重要な要素はタッチですので。

 

MP関節(指の根元の関節)を使ったタッチが安定せずに

弦をすくい上げるタッチになってしまう時があるので

すくい上げるタッチとは逆方向、つまり表面板方向に弦を押し下げて弾きやすいアポヤンドで練習。

 

その後、アポヤンドのままの方が効果的な箇所以外は

アルアイレに戻して弾いてもらいましたが、大分音色が充実してきました。

 

元々気を付ければ良いタッチで弾ける技術力はあるので

自分が欲しい、良いと思う音色のイメージをしっかり持てれば

それだけで演奏は大きく変わります。

 

 

しっかり楽器を鳴らすには表面版を振動させやすいタッチでなくてはいけません。

すくい上げるタッチがなぜ駄目で、表面板方向に弦を

押し下げる必要があるかはここでは割愛します。

 

ここで僕が説明するより、既にネット上で的確な解説をなされている

ギタリストがいらっしゃいますので。

興味のある方は、京都在住の名手、藤井眞吾先生のHPにある解説を

ご覧になると良いかと思います。

とても詳しく、解りやすく解説してくださっています。

 

 

 

このタッチの考え方はマンドリン属の楽器にもそのまま反映出来ます。

表面板と弦の基本的な構造の関係がギターと共通しているからです。

MP関節(指の根元の関節)を使えず弦をすくい上げるタッチは

独学でギターを弾かれる方に多く見られる傾向ですが

マンドリンにおいても独学の方は、表面板方向と逆方向に弦の圧力から

逃げるようにピッキングしてしまう傾向がよく見られます。

 

勿論音色のバリエーションの手段として、その類のタッチも時には必要ですが

メインのタッチにするには相応しくありません。

 

これはあくまで、表面版を振動させるタッチの方向についての話です。

音色を決める要因は表面版に対しての方向以外にも、指先が弦に設置している時間や

弾弦の角度、位置など、様々な要素があります。

 

何より良い音を出すには、常に出したい音色を自分の中で明確にしなくてはいけませんし

良い音を知らなくてはいけません。

出したい良い音のイメージを持てなければ、何の為に表面版を振動させるのか

振動させることで音がどう変わったのか、理想に近づいているのかも実感できません。

 

きっとこのブログを読んでくださっているギター・マンドリン愛好家の中には

まだ優れたクラシックギタリスト、マンドリニストの「良い音」に触れたことがない

もしくは、片手で足りる程度の数の演奏家しか聴いたことがない方も

結構多くおられるのではないかと思います。

 

是非、優れたプロフェッショナル、出来れば世界的に活躍する演奏家演奏会

良い音源を沢山聴いていただけたらと思います。

 

 

絶対に今より楽器が好きになって楽しく取り組めますよ…!

 

 

吉住和倫

 

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