消音。

体験レッスンを経てご入会してくださったクラシックギターのKくん(大学生)。

今日から初レッスンでした。

 

読譜が不得意な彼ですが、カルカッシのエチュードもきっちりさらってスラスラと弾いてきました。

ほとんどミス無しで完走。よく練習してますね。

 

改善点はまず右手のフォーム。

p指(親指)のアポヤンドを用いたり、低音を強調する際に、手全体のフォームを大きく変えてしまう癖があり

ima指(人差し指中指薬指)のミスを生んだり、本来1本の低音弦しか弾かない箇所で、2本弾いてしまったりしていました。

フォームを変えずにアポヤンド出来るようにp指の関節の動かし方を解説。

多くの人が陥るCM関節(根元)の使い方の問題です。

 

そしてもう一つ大きな改善点は消音。

開放弦の響きを処理せずに、次の小節の音を弾いてしまっているので、和声が濁って聴こえます。

今まで和声が濁るので音を止める、という発想がなかったらしく驚いていましたが、止め方を教えると直ぐに出来てしまいました。

習得に時間掛かる人も少なくないのですが、とても器用ですね。

imaのタッチがかなり改善されているので、p指に集中する余裕があることも大きい様です。

 

僕は教えるという仕事を10年以上やってきましたが、不思議な事に(?)ピアノの経験が一定以上ある人は

僕が何も言わなくても消音がある程度出来てる場合が多いです。

やはり和声の響きに対して耳が洗練されているのでしょう。

響きが濁るのが「気持ち悪い」と感じるので、響きを消す方法を自分で考えて実践なさっているんですね。

 

 

どの様に音を止めるかという方法を知り実践するのは勿論大事ですが、その前に「耳」で認識する事が一番大切です。

曲に求められている、自分が心地良いと感じる響き。

これを持たない事にはいつまでも「先生に言われたから消音している」になってしまいますので

自らが「気持ち悪いから消したい」と感じるものにしていってくれればと思います。

 

でも消音って本当に難しいんです…!

ギターという楽器の構造と倍音成分の関係で、開放弦を弾いてなくても消音が必要になる場合もあるので。。

 

 

吉住和倫

 

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