新しい楽器のご紹介2。

昨日のロレンツォ・リッピの楽器紹介の続きです。

何故製作本数の少ないリッピが日本で出回っているのか。

僕がどうリッピのギターに出会ったのか。

日本で最初にリッピの楽器を扱い始めたのは、京都にある楽器店「サロット」です。

サロット代表の宮崎さんは、学生時代からマンドリン属の楽器を弾いていたこともあり

イタリア現地に向かい自らの目で見定めて、素晴らしい楽器を日本に仕入れてくださっています。

そんな中で、出会ったのがリッピの楽器。

それ以来、サロットはロレンツォ・リッピ日本総代理店として、素晴らしい楽器を何本も日本に持ち込んでくださいました。

 

その後、リッピのマンドリンが日本を含む世界各地で高い評価を受けるに至りましたが

そこで数年前に宮崎さんがリッピに「ギターは作らないのですか?作ってみては?」と話したのが

クラシックギター製作のキッカケだったようです。

 

そして完成したクラシックギター初号機。

その楽器がリッピとの繋がりが深く、ギター製作のキッカケにもなった宮崎さんのサロットに入荷した6月に

丁度仕事で京都に行く機会があったのです。

以前から宮崎さんとは親しくさせていただいていて、リッピのマンドリンを購入したいたこともあり、

リッピのギターの情報を聞き付けて、この機会を逃すまいと、サロットで初号機を試奏させていただきました。

そこでリッピの魅力に憑りつかれてしまい、その場で購入をのお話を持ち掛けたのですが

既に大阪で活躍するギタリストさんの仮リザーブの状態。(仮リザーブなので試奏させたもらえました)

 

札幌に帰ってからもリッピの響きの美しさが忘れられず、ある日状況確認したところ

初号機はリザーブしていたギタリストさんが購入したとのこと。

では次の楽器が入ったら是非買わせてください!と予約して、11月同じグレードのものが出来上がってから

即宮崎さん自らが僕の元へ楽器を運んで来てくださいました。

 

 

 

今まで自分は世間的に「名器」と呼ばれるものも含めて何本かの楽器を渡り歩いてきましたが

「一生ものの楽器」に出会えたと感じました。言葉でいくら伝えても陳腐な表現にしかならないのですが、響きに「夢」があるんです。

もっとこんな響きが欲しい、と思わせてくれる、それを奏者の弾き方次第で叶えてくれる。

良い楽器とは概ねそういうものですが、ここまでそれを強く感じさせてくれたのはリッピが初めてでした。

 

リサイタルの10日前にに新品の楽器を使うというのは、新品故に響きが固く

(木の楽器は弾き込むことで振動によって木の密度が変化して『鳴る』様になっていきます)

不慣れで技術的にもアジャストが難しいのですが、それを差し引いても「この楽器で演奏したい」

と思わせてくれました。

 

 

この楽器はもっともっと良い響きが生み出せるはず。その響きをお届けできるように精進していきたいと思います。

 

 

 

吉住和倫

 

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