マンドリンの生徒さんからのご紹介で、先月から体験レッスンに起こしいただいていたマンドラのTさん。
ご入会いただいて、今日から正規の初レッスンでした。
僕は一定以上の技術がある方には例外なく、右手の移弦、左手の伸縮と独立のエクササイズをお出ししています。
大学のサークルでコンサートマスター(ミストレス)を務める程の人でも、大抵は苦労するのですが…最初から
結構出来ているTさん。
特に左手はマンドリン属のアマチュアの方にありがちな
ネックの握り込み、指の腹でしか押さえられない、といった癖がない。
何でも以前、クラシックギターをやっていたそうで、明らかにその当時のフォームが
今の技術に良い影響を与えています。
右手もピックを弦に触ってから押し込むタッチは、ほとんど経験がなかったそうですが
解説してみると堅実なテンポでしっかりと実践。
音と技術に対しての意識が高く、とても丁寧ですね。
こういうタイプの方は練習の仕方も上手いので、伸びが早いです。やっぱり丁寧なのが基本。
今までマンドラ独奏の経験はほとんどないとのことですが、挑戦してみることに。
そもそも今のTさんくらいの技術が備わっているなら、独奏を勉強していかないと
音楽の楽しみは勿論、伸び率の観点からも損です。
なので挑戦する曲は初独奏としてはチョット難しめの、無伴奏チェロ組曲第1番bwv1007よりプレリュード/バッハ
ということで、動画もマンドラ(と言っても中東タイプの楽器です)で。
細かい運指を自分で考える力がある程度備わっている印象だったので、好きに指を取ってきてもらいましたが
読み通り、中々知的なアプローチ。
マンドリン弾きにありがちな(コンクールに入賞するくらいのレベルの人でも)ポリフォニーを
平面的、一本の旋律線に捉えてしまうこともなく、ある程度立体感を意識して演奏してくれました。
これもギターの経験が大きいかもしれませんね。
モチーフの扱い方やフレージング、転調のポイントなどへの意識や、アイデアが届かずに
上手くいっていない運指を幾つか修正。この分だと短期間でスラスラ弾ける様になっちゃいそうです。
そして音が美しい。。Tさんの腕前もさることながら、楽器が良いです。
落合のDS-2。伸びのある豊かな倍音。残念ながら、札幌では出入りする楽器業者さんが落合を取り扱っていない為
落合を使ってる人が本州と比べてとても少ないのです。
国産の野口、落合の良い音を知らずにカラーチェ、ヴィナッチャ等、イタリア製作家ばかりに囚われてる人には
是非一度触れていただきたい音です。決して、イタリア製作家の楽器が国産に劣ると言ってるワケではありませんよ。
野口、落合にはイタリア系楽器にはない良さがあるのです。
そして、今後Tさんの腕前が上がるにつれて、より美しい音を聴かせてくれるはずです。
吉住和倫
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