昨日は古くからの友人、熊谷俊之くんのサロンコンサートに行ってきました。
先日のギター音楽祭でゲスト演奏を務めた、北海道が生んだ名手です。
美唄在住の茶木ご夫妻というとても熱心なギター愛好家がおられるのですが
ご自宅にちょっとしたコンサートを行えるとても良い雰囲気のサロンがありまして
そこでのプライベートライブ的な催しでした。とても贅沢。
バッハの「リュート組曲第1番BWV996」からスタート。
サロンコンサートですが、いきなりの超正統派難曲です。
が、くだけた雰囲気ということで、時に冗談も交えながら、バロックをある程度勉強した人じゃないと
知らないようなマニアックな話を面白く解説していました。
舞台経験を多く積んで、ギターの腕前だけじゃなく、トークも上達してますね。。
3フレットにカポタストでの演奏でしたが、とてもよく練られたアプローチで技巧的にかなり困難な
クーラントやジーグも鮮やかな演奏でした。
私見では色々可能性を探っている様にも見受けられましたので、また暫く時間が経ってからも聴いてみたいと思わされました。
続いて、カルレバーロの5つの南米風前奏曲。
昨年が生誕100周年に当たるということで、弾き続けているらしいのですが
恐らく今この曲を弾いてるのは日本で自分だけだろうと話していました。
曲を知ってる人は多分会場には僕と佐藤洋一先生しかいなかったと思うのですが
中々ここまで立体的に弾ける人はいないのではないでしょうか。
YouTubeにも多くのギタリスト動画をアップロードしてますが、そのどれよりも魅力的に感じたくらいです。
YouTubeの動画全部チェックしたワケではないんですけど(笑)
前半ソロの最後はイルマル作曲バーデンジャズ組曲。
バーデンジャズ組曲はギター音楽祭でも弾いた曲でしたが、弱音を活かしたとても小気味良いアプローチ。
音楽祭のインタビューで「小さな音で弾けばお客さんは耳を傾けて静かに聴いてくれるんです」と言っていましたが
これは、普通の人が同じようなアプローチで挑んでもモゴモゴ弾いてるだけで終わってしまうでしょう。
弱音であっても、コントロールされた音色やアーティキュレーションのニュアンスにより
音楽的にはハッキリ整ったものであるから表情豊かに聴こえるのであって
ただ小さく弾けば良いというものではないのです。正しく匠の技ですね。
この曲は彼にとっては、クラシックギターをあまり知らない人に楽しんでもらう為に弾く、という括りのもので
練習期間も2週間程度と言っていましたが、ほぼ無傷の完璧な演奏。お見事です。
※茶木さん、カメラ撮れなかったので演奏中の画像お借りします。
後半は江別在住の重鎮ギタリスト佐藤洋一先生とのデュオでカヴァティーナや
アルハンブラの思い出などのスタンダード…だったのですが、仕事に間に合わなくなるので途中退席。
最後まで聴きたかった~。
熊谷君は活動拠点は東京ですが、ご実家が旭川なので、そこそこの頻度で北海道で演奏を行っています。
そう遠くない内に札幌でもリサイタルやったりするんじゃないかと思いますので、まだ彼の演奏を聴いた事が無い方
先日のギター音楽祭で初めて演奏を聴いた方は是非足を運んでみてはいかがでしょうか。
吉住和倫
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