生徒さんがアルテ国際マンドリンコンクールで入賞!

先週末、大阪で行われたアルテ国際マンドリンコンクールB部門(マンドロンチェロ部門)で

門下の石窪翔吾くんが1,2位なしの3位(最高位)に入賞しました。

おめでとうございます!

 

彼が僕の教室に習いに来たのは約1年前。

それまでは指導に行っている北大アウロラのみでしか教えていませんでしたが、「コンクールに挑戦したい」という動機で

この1年間、僕と一緒に独奏を中心に努力を重ねてきました。

 

彼は北大アウロラでは首席奏者を務めていましたが、例年の首席奏者と比べてお世辞にも上手とは言えず

全体的にかなり荒っぽい演奏。

読譜もかなりいい加減で、音楽内容を読み取る力が足りず、また単純に音も間違えて取っていることが多く

1年前の彼を知っている人から見ると、今回の結果はかなり驚きだったと思います。

 

技術的にもピックの持ち方、右腕、手首の連動、左手のフォーム、各指の独立性…挙げていくとキリがないのですが

よく1年でここまで改善出来たな、と感心します。

彼はこの1年、とても謙虚でした。自分に対しても、僕に対しても、音楽に対しても。

レッスンの度に着実に成長を重ねてきてくれましたし、また、単にイエスマンになるだけではなく

常に「自分の主張」を失わずに持ち続けてくれていたことも、今回の結果に繋がった要因だと思います。

 

僕は大阪まで聴きに行っていたのですが、私見では出場者中1位と予想していたものの、審査員次第で2位もあり得る

と考えていました。結果としては、カーチャ・プラコプチク、リカルド・サンドバル、カテリーナ・リヒテンベルク

という錚々たる海外の超1流所のゲスト審査員全員から1位を付けてもらっての最上位入賞。

 

 

 

1,2位無しは厳しいよね、という声もありましたが、僕個人としてはこれも予想済みでした。

過去のチェロ部門で1位に入賞した市川敦嗣くん、1、2位なしの4位だった新野昴くんなど

入賞ラインのレベルを知っていましたし、今回石窪くんが1次音源審査で1位通過した時点で

彼の録音の演奏クオリティから考えて、今回のコンクールは恐らく1位が出るレベルではない

2位も無いかもしれないと予測しており、音源審査の結果が出た日に石窪くんとそんな話をしていました。

ですので納得の3位最高位です。

 

そしてコンクールにおいて勿論結果も大事ですが、それ以上に「コンクールに向けて努力を積み重ねて上達してきた」

という過程こそが最も大切であると考えています。

その意味では、石窪くんはコンクール前日の時点で大きな成長という結果を手に入れていましたし

良い結果が出なかったとしても、彼にとってこのコンクールはとても意義深く良いものになっていたのです。

だから僕も「ここまで頑張ったのだから何位でも構わないし、どんな結果でも僕の評価は変わらないよ」と彼に話をしていました。

 

また、1発勝負のコンクールの結果は水物です。

多くの人が1位と予想した実力者が実力を発揮しきれずに予選で落選する、といった事は普通に起こりますし

実際にギターのコンクールではそんな光景を何度も目撃してきました。

そんな中、しっかりと自分の持っている力を出し切ってくれた石窪くんは本当に頼もしかったです。

そして良い結果が出た方がより嬉しいのは当然ですし、彼が入賞したという結果は、僕の教室の生徒さん

また北大や商大の若い人達の刺激にもなります。

 

下の画像で一緒に写っているのは、石窪くんから見て北大の大先輩で今はマンドリン製作家として活躍している笹川慶太さん。

 

今後はコンクール入賞者としての箔が付きましたので、周りの目も変わってきます。

それ故に、人前での演奏に責任感が伴う場面が増えきます。

彼は今も意欲十分で、より高見を目指す気持ちが強いので、そんなプレッシャーが掛かる場面も糧にしていってくれることでしょう。

 

一息ついたら、直ぐに新曲の準備です。

今後の更なる彼の成長に助けになれるように、僕も一層良い指導が出来るように一緒に努力を重ねていきたいと思います。

 

 

吉住和倫

 

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